アメ車、中でも旧車が大好物な私ですが、本サイトのタイトル『アメ車のトリセツ』とある中で、「そもそもアメ車とは?」という原点に立ち返ってなかったなと思うことがあったので、今回は【アメ車とは】というシンプルな疑問に答えていきます。
やっぱり『アメ車のトリセツ(取扱説明書)』ですからね。
では、アメ車とは??いってみましょう!
目次
アメ車の定義
「アメ車」とは、アメリカに本社を持つ自動車メーカーが設計・製造した車両全般を指します。
アメリカには多くの著名な自動車メーカーがあり、それらの製品が「アメ車」として分類されるってことですね。
例えば、フォードは1903年に創業し、世界初の大量生産車である「モデルT」を生み出したことで知られていますし、シボレーは、ゼネラルモーターズのブランドの一つであり、カマロやコルベットといったスポーツカーが代表的なモデルとして知られています。
キャデラックも、ゼネラルモーターズの高級車ブランドとして、ラグジュアリーなセダンやSUVを中心に展開していますね。
また、ダッジは、パワフルなマッスルカーで有名であり、チャレンジャーやチャージャーといった車種が有名ですし、ジープは、オフロード性能に優れたSUVを提供するブランドとして知られ、ラングラーやグランドチェロキーなどが人気車種です。
覚えておきたいアメ車メーカー
- フォード
- シボレー
- キャデラック
- ダッジ
- ジープ
これらのメーカーが製造する車両が「アメ車」として分類され、アメリカ合衆国の自動車産業を象徴する存在となっています。
アメリカの自動車メーカー各社は第2次世界大戦後、豊かな社会情勢に後押しされ急速に群を抜いて世界最先端の自動車メーカーとなりましたが、その後良くも悪くも「アメリカ人のための自動車作り」に徹したんですね。
そのため「アメ車」は、単にアメリカ合衆国で製造された車というだけでなく、アメリカの文化や価値観を強く反映した独自のデザインや性能を持つ自動車として、世界中で認識されるようになりました。
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アメ車の特徴
アメ車の特徴としてまず挙げられるのが、ボディサイズとエンジンの特性でしょうね。
アメ車のボディサイズは、各年代において基本的に他国の車と比べて非常に大きく、力強いんです。
1970年代まではその差は特に大きかったんですが、これはアメリカ合衆国の広い道路事情に対応するためだったんですよね。なので、アメ車は車体の大きさが際立ちます。
例えば、1975年式のキャデラック・ドゥビルとトヨタクラウンをくらべた場合、長さで約1メートル(!)、幅は約33センチ、排気量においては8200ccと2600ccで3倍以上の差があったんですよ。
アメリカでは、家族全員で長距離ドライブを楽しむ文化があるため、室内空間の広さやトランクの大容量が求められるため、キャデラックのエスカレードやリンカーンのナビゲーターなど、ラグジュアリーSUVが人気を集めています。これは日本でも同じですね。
続いて、エンジンの特性についてもアメ車は独自の魅力を持っています。
アメ車は一般的に大排気量エンジンを搭載していることが多く、特にV8エンジンはその象徴。
V8エンジンは、大量の燃料と空気を取り込むことで高い出力を生み出し、力強い加速とスムーズな走りを実現してくれます。
このエンジンは、スポーツタイプのクルマに限らずセダンやステーションワゴン、バンやピックアップトラックにも搭載されており、いかにV8エンジンがアメ車に定着していたかを物語っていると言えます。
大排気量エンジンのもう一つの魅力は、その特有のエンジンサウンドであり、アイドリング時の重厚な音や、アクセルを踏み込んだときの轟音は、多くの車好きにとってたまらない要素なんです!
とにかくデカい車体と、大排気量エンジンがアメ車の特徴。
それと、アメ車には他国車に先駆けた先進的な快適装備が普及していたことも特徴にあげられますね。
例えば、オートマチックトランスミッションやパワーステアリング、パワーウィンドウやエアコンディショナーといった装備も1950年代より多くの車種に装備されていましたし、最近装備が定着してきたヘッドライトの自動切換え装置も今から約70年前には装備されていた車種があったほどですから。
こうした特徴により、アメ車は「パワフルで大きくゴージャスな車」というイメージが定着しており、それが他国の車との大きな違いを生み出しているわけです。
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アメ車の歴史や文化
アメ車が現在の形に至った背景には、アメリカという国の社会的・経済的な変遷と、それに伴う自動車産業の発展が深く関わっていますので、本章ではこのことをチェックしていきましょう。
1950年代から1970年代にかけて、アメリカ合衆国は自動車文化の黄金時代を迎え、この時期に誕生したクラシックカーは、今日まで強い影響を与え続けています。
第二次世界大戦が終わった1945年以降、アメリカは経済的な繁栄期に入りました。
戦争が終結し、工業生産が戦時から平時のものへと移行すると、多くのアメリカ市民が自動車を購入するようになり、各自動車メーカーは、この需要に応えるため、次々と新しいモデルを発表。
例えば、シボレーの「ベルエア」は、その派手なクロームメッキや二色塗り分けのデザインで人気を集め、1950年代のアメリカ合衆国の豊かさを象徴する車です。
1960年代に入ると、アメリカの自動車産業はさらに進化し、各メーカー同士による馬力競争が過熱し、大排気量で高出力なV8エンジンを搭載したマッスルカーと呼ばれるジャンルが誕生しました。
マッスルカーの由縁は、それまで大型ボディ(いわゆるフルサイズ)に搭載されていた大排気量エンジンを、中型のミドルサイズボディのモデルに搭載したのが始まりとされています。
ダッジ・ダートやポンティアック・GTOがその代表的なモデルですね。
また、その頃新型車として誕生したフォード・マスタングやシボレー・カマロといったモデルにも当然高出力エンジンがラインナップされ、次々とパワフルなマッスルカーが市場に登場しましたね。
これらの車は、大排気量エンジンによる圧倒的な加速性能と、独特のスタイリングで多くの人を魅了したのは間違いないでしょう。
特にマッスルカーは、若者文化や自由を体現する象徴として愛され、映画や音楽にも多く登場するようになったんですよ。
例えば、映画『ブリット』では、スティーブ・マックイーンが運転するフォード・マスタングが壮絶なカーチェイスを繰り広げ、マッスルカーの魅力を世界に知らしめましたし、他にも『ダーティ・メリー/クレイジー・ラリー』のダッジ・チャージャーや、『バニシング・ポイント』のダッジ・チャレンジャーなどが有名ですね。
ただ、1970年代に入ると、オイルショックや環境規制の強化など、さまざまな社会的要因が自動車産業に影響を与え始めます。
これにより、大排気量エンジンを持つマッスルカーは徐々に姿を消し、より現代的な燃費の良い車が求められるようになっていくわけです。。
1950年代から1970年代に生まれたアメ車は、古き良きアメリカを象徴するアメ車だと感じます。
この年代に誕生したアメ車は『クラシックカー』と呼ばれ、当時のアメリカの精神を体現した車として、現在でもそのデザインや技術が多くのアメ車好きに高く評価されています。
なお、アメ車は1970年代頃までほぼすべてのモデルにおいて毎年大胆なモデルチェンジをしており、同じモデルでも年式によりデザインがかなり違っているため、同じ車種でも年式ごとに好みが分かれるところも興味深いところでもあります!
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アメ車の人気モデルやブランド
アメ車は、世界の自動車文化の中で独自の位置を築き、それぞれのブランドは、各々特徴や個性を持ち、その歴史と共に進化してきました。
本章では、フォード・マスタング、シボレー・カマロ、ジープのSUVを含む代表的なアメ車のモデルとブランドについて説明していきたいと思います。
フォードマスタング
アメ車『フォード・マスタング』は、アメ車の中でも特に有名なスポーツカーです。
1964年に初めて登場したマスタングは、「ポニーカー」という新しいカテゴリーを確立しました(ポニーカーとは、手頃な価格でありながらスポーティなデザインと高性能を兼ね備えた車のこと)。
力強いV8エンジン、スタイリッシュなデザイン、そして自由と冒険を象徴する存在感が特徴のフォード・マスタングは、その後もモデルチェンジを繰り返し、現代に至るまで多くのファンに愛され続けていますね。カッコいい車です。
シボレーカマロ
アメ車『シボレー・カマロ』は、フォード・マスタングに追随する形で1966年に登場しました。
シボレー・カマロは、アグレッシブなデザインと高いパフォーマンスで瞬く間に人気を集め、フォード・マスタングと並ぶアメリカの代表的なマッスルカーとなりました。
シボレー・カマロの特徴は、その強力なエンジンラインナップと、ドライビングエクスペリエンスを重視した設計ですかね(マニアック)。
また、シボレー・カマロはレースにも積極的に参加しており、特にトランザムシリーズでの活躍が有名で、スピードとパワーを象徴するアメ車として知られています。
ジープ
アメ車『ジープ』は、SUVブランドとして広く知られており、オフロード性能に優れた車を提供することで名を馳せています。
ジープの歴史は第二次世界大戦に遡り、軍用車として開発された「ウィリスMB」がその原型とされています。上の画像を見ても確かにミリタリーっぽさがありますよね。
この車両は、その耐久性とオフロード能力で非常に高い評価を受け、戦後は一般市場向けに「ジープ」として販売されたという経緯があります。
現在でもジープ・ラングラーは、オフロード愛好者の間で非常に人気が高いです。
ラングラーの特徴は、頑丈なフレーム構造、四輪駆動システム、取り外し可能なドアやルーフなど、カスタマイズ性の高さ。
また、ジープ・グランドチェロキーは、オフロード性能とラグジュアリーさを兼ね備えたモデルとして人気があり、都市部でも快適に走行できることから幅広い層に支持されていますね。
フォード・マスタング→スポーティなデザインと高性能を手頃な価格で提供
シボレー・カマロ→パフォーマンスとアグレッシブなスタイルで多くのファンを魅了
ジープ→圧倒的なオフロード性能とタフネスで、冒険心を刺激する車として広く認知
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アメ車の魅力
アメ車の魅力は、なんにせよその独自性とアメリカの文化を反映した点にあると思っていて具体的には、
- エンジン
- 独特なスタイル
- デザイン
なのかな〜と。
エンジン
アメ車の魅力一つ目は、エンジンです。
アメ車が持つパワフルな走行性能は、多くのアメ車好きを惹きつける要因で、各メーカーは伝統的に大排気量のエンジンを搭載することが多いんですね。先ほど申し上げたように、特にV8エンジンはその象徴的存在で。
このエンジンは、大きな排気量により圧倒的な馬力とトルクを生み出し、アクセルを踏み込んだ瞬間に感じる力強い加速感が、他の車にはないアメ車特有の魅力でしょう。
実際、1960年代から1970年代前半に製造された、高い圧縮比による高出力V8エンジンが搭載されたモデルの人気は非常に高いのです。
フォード・マスタングやダッジ・チャージャー、シボレー・シェベルなどは、その強力なエンジンによるパフォーマンスが、なんとも言えない高揚感を味わえることで有名ですから。
独特のスタイル
アメ車の魅力二つ目は、独特のスタイルです。
アメ車は、デザインにおいても大胆で個性的な要素を取り入れることが多く、例えばシボレー・コルベットは、コークボトルラインと呼ばれる流線型のボディラインと長いフロントノーズが特徴であり、一目でアメ車と分かるデザインが施されている。
また、ダッジ・チャージャーやシボレー・カマロ、リンカーン・コンチネンタルに採用された「コンシールドヘッドライト」と呼ばれる機構により、消灯時にはヘッドライトが隠れたデザインのフロントマスクが特徴であるモデルも数多く存在しますしね。
ぶっちゃけ、実用性とはかけ離れたデザインなんですよ。
もっと言ってしまえば無駄とも言えるデザインかもしれませんが、そこもまたいいんですよね。要するに「遊び」があるんですよ、アメ車には。
クラシックなデザイン
アメ車の魅力三つ目は、クラシックなデザインです。
1950年代から1970年代にかけて生まれたクラシックカー(旧車)は、現在でも人気が高く、私も大好きです。
例えば、シボレー・ベルエアやフォード・サンダーバードは、クロームメッキの装飾や、二色に塗り分けられたボディカラー、宇宙ロケットを意識した砲弾型のフロントバンパーにテールフィンやロケットの操縦席のような室内など、当時のアメリカの豊かさと進歩を象徴するデザインが特徴的でいいんですよね。
アメ車の旧車は所有することで、当時のアメリカの歴史や文化、その精神を共有できるという魅力があると言えますね!
それと余談ですが、カスタマイズ性が高いのも魅力かもしれません。
アメ車は、オーナーが自分の好みに合わせて改造やアップグレードを行いやすい車種が多く、その自由度がファンを引きつけているのも確かですからね。
いずれにせよ、様々の要素の魅力が組み合わさることで、アメ車は単なる移動手段以上の価値を持ち、自分の個性やライフスタイルを表現するために欠かせないアイテムとなっているってことです。
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現代のアメ車事情
最後にアメ車の最近の事情をおさらいしておきます。
近年クルマ業界では、環境問題への対応や燃費の改善、さらには電動化への取り組みが重要なテーマとなっています。
これらの変化により、アメ車はその歴史的なアイデンティティを保ちながら、次世代の自動車として新たな方向性を示しています。
環境対応技術について、ゼネラルモーターズは、シボレー・ボルトEVをはじめとする電気自動車(EV)のラインアップを拡充していますし、燃費の改善については、フォードが「エコブースト」技術を導入し、小排気量ターボエンジンでありながらも高いパワーを維持しつつ、燃費性能を大幅に改善していますね。
電動化の動きもあるんですよ。
例えば、フォードは完全電動SUV「マスタング・マッハE」を発表し、ゼロエミッションを実現するだけでなく、電動車ならではの加速性能や先進的なテクノロジーを取り入れていますし、ゼネラルモーターズも、キャデラックブランドを通じて電動化をさらに推進しています。
現代のアメ車は、このようにして伝統的な魅力を維持しながらも、技術革新を通じて新しい時代に適応していると言えます。うーん、素晴らしい!
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まとめ
アメ車とは?ということで、少々駆け足ではありましたが、ザーッとみてきました。
かなり長文になってしまいました。。とにかくカッコいいんですよアメ車は。