アメ車が好だという理由はいろいろあると思います。
- 大きくて目立つから
- なんか優雅だから
- 室内が広いから
- アメリカという国が好きだから
- スタイリングが好きだから
などなど。。
上にあげた理由以外にも、アメ車ならではの大排気量V8エンジンに魅力を感じるという人は多いと思います。
今回はそんなアメリカンV8エンジンについてお話ししたいと思います。
アメ車V8エンジンとは
アメ車V8エンジンとは「V型8気筒エンジン」のことです。
ちょいと詳しく説明しますね。
V型8気筒エンジン(V8エンジン)は、エンジンのシリンダーがV字型に配置された8気筒の内燃機関のこと。
この配置により、エンジン全体のコンパクトさと高出力を両立することができます。
V8エンジンは、特にアメリカ車において広く使用され、高いパフォーマンスと独特のエンジンサウンドが特徴的です。
大排気量により強力なトルクを発生し、高速走行や重い車両の動力源として優れているためスポーツカー、SUV、トラックなどさまざまな車種で採用されています。
アメリカ以外の自動車メーカーにおいても、多くのV8エンジンが製造されていますが、搭載されるのはせいぜい1~2車種であり、アメリカほどV8エンジンが搭載されている車種が多い国はありません。
ではなぜ「アメ車=V8エンジン」という方程式が確立されたのでしょうか?
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アメ車=V8エンジンのルーツを深掘り
アメ車=V8エンジンという図式が出来上がった理由は、その開発の歴史を紐解くとよくわかります。
自動車が開発され、搭載された当初のエンジンは単気筒(1気筒)や2気筒でしたが、徐々に自動車にはスピード求められるようになりました。
すると、必然的にエンジンのパワーアップが必要となります。
エンジンをパワーアップさせるには、排気量を上げることが大前提となるのですが、少ない気筒数で排気量を上げると振動の大きなエンジンとなってしまうため、排気量とともに気筒数が増やされていくこととなりました。
このことは世界各国の自動車メーカーによって作られたエンジンが同様に辿った進化の道筋なのですが、なぜかアメ車にはV8エンジンが定着することとなります。
アメ車で初めてV8エンジンが搭載されたのは、今から100年以上前の1914年で、その車はキャデラック。高級車として少ない振動や静粛性を求めた結果でした。
その後他のメーカーも続々とV8エンジンを開発、高級車と呼ばれるクルマ以外にもV8エンジンが搭載されるようになります。
自動車大国アメリカにおいて、部品点数が少なく量産性にも優れたアメリカンV8エンジンはこうして各メーカーの様々な車種に搭載され、パワフルで壊れにくい丈夫なエンジンということで人気が上がり、ますますその数は増えていきました。
アメ車の黄金時代と呼ばれる1950年代になると、アメ車の車体はますます大きく重くなり、エアコンやパワーステアリングなどの快適装備も備えるようになります。
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オートマの普及もV8エンジン定着に拍車をかける
「アメ車といえばV8エンジン」という、アメ車好きの間で真っ先に想起される背景には、オートマの普及もありました。
アメリカではいち早くAT(オートマチックトランスミッション)が導入されました。
色々の快適装備を駆動しながら、パワーロスの大きいATミッションを介して大きく重い車体をストレスなく走らせるために、またさらにパワーアップが必要となり、そのため大排気量化がますます加速。
大排気量により低回転からのトルクが太く、地面を蹴飛ばすようなV8エンジンの力強さが、当時アメリカに生きる多くの人々の感性に共鳴し、受け入れられたのだと思います。
排気量や気筒数を減らすなんて思考は生まれるはずもなく、ゆえにアメリカにおいて大排気量V8エンジンはますます定着したというわけです。
なお、1960年代から1970年代わたり、ハイパワーエンジンを搭載した「マッスルカー」と呼ばれる車が各メーカーから続々と誕生しますが、このアメ車たちが搭載していたエンジンも勿論すべてV8エンジンです。
開発当初から長期間基本構造を変えず、共通部品も多く、アフターパーツの充実によりメンテナンスもチューニングも当時は気軽にできたこともまた、V8エンジンの魅力のひとつと言えるでしょう。
V8エンジンの人気はその後1990年代頃まで続き、ポピュラーなエンジンとして確かな地位を確立していきました。
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V8ならでは?ドロドロの排気音!
アメ車のV8エンジンといえば、例のアレですね。
そうです、V8エンジン特有の「ドロドロ」という排気音。
アメ車好きにはたまらない「ドロドロ」の音なのですが、これはエンジンの性能を下げてしまう排気干渉という現象によるもので、アメリカンV8エンジンならではのウィークポイントなのです。
また、アメリカンV8エンジンのもう一つの特徴として、OHVと呼ばれるバルブ駆動方式があります。
初期のエンジンでは先進的だったこの機構も、1960年代にはすで時代遅れのメカニズムとなっていました。
これらを改善するにはエンジンの基本構造を変える必要があるのですが、アメリカのどのメーカーも承知の上で、長期間にわたりそれを変えず、徐々にパワーアップしたV8エンジンを開発、製造し続けました。
これには、アメ車メーカー(アメリカの人々)のアメリカンV8エンジンというものに対する哲学的とも言えるほどの、理屈抜きの強い拘りを感じます。
それも含めてアメ車の「ドロドロ」という排気音が、個性的で魅力的に聞こえるのかもしれませんね。
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まとめ
アメ車V8エンジンについて、その歴史からつらつらと語ってきました。
現代では燃費や環境問題に対する意識の高まりなどにより、V8エンジンが搭載されている車種はかなり減少しました。
が、「アメ車=V8エンジン」の方程式は健在で、根強いファンも多く、構造を変え進化しながら、今でもアメリカンV8エンジンはなお存在し続けています。